2012年08月25日

「噛みつき」について

昨日、当園の0歳児クラス(茜)向けに「噛みつきについて」というお便りを発行しました。以下、転載します。


 最近、茜の保育室では子ども同士の「噛みつき」が見られます。たとえば、遊んでいるおもちゃの取り合いになって友達を噛んだり、お気に入りの絵本を持っていってしまった友達を追いかけて噛んだり、また、お友達が近づくだけで噛んだりすることもあります。

 「噛みつき」は自我が芽生え始める1〜2歳児頃によく見られる行為ですが、おおよそ下記のようなことに起因すると考えられています。

 1 要求などを言葉で表せずに、行為が先行する
  ・友達が持っている物が欲しいとき
  ・相手の存在に怖れを感じるとき
  ・拒否されたとき

 2 ストレスがたまっている
  ・戸外で遊べないことが続いているとき
  ・大人に怒られてばかりいるとき
  ・大人に甘えられないことが多々あるとき
  ・要求をくみ取ってもらえないことが多々あるとき

 3 体調がすぐれない
  ・病気のあとなど体力が低下しているとき
  ・週末などで疲れがでているとき
  ・生活リズムが乱れ、寝不足や便秘などがあるとき
  ・皮膚などで感じる生理的不快感が大きいとき

 4 その他
  ・過去に友達からされた嫌なことを急に思い出したとき
  ・目の前の動く物や近づいてくる物に本能で反応するとき
  ・噛むという行為を、遊びやスキンシップのひとつと思い込んでいるとき
  ・友達が泣いている姿を見るのを楽しいと思っているとき

 噛まれた子は当然痛みを感じ、大きな声で泣くこともあれば、報復や防衛の手段として噛み返すこともあります。我が子についた噛痕を見れば親は心が痛みますし、噛んだ子の親もまた心苦しさを感じますので、「噛みつき」を良しとする理由はありません。

 しかし、「とにかく噛むことはいけないこと」と頭ごなしに怒ったり、噛みつこうとするところを止めたりするだけでは、その子どもの要求を理解することができず、より大きなストレスを感じさせてしまい、その結果「噛みつき」がエスカレートすることもあります。

 私たち保育者は、まずは噛みつこうとするところを止めるように努めながら、子どもの気持ちを理解して、代弁することを心掛けています。「噛みつく」という行為をしなくても大人は自分のことを理解してくれたという心の安定を得ることで、他者への共感が生まれ他者とのかかわり方を学んでいくように働きかけています。また、不意のことで止められなかったりするときは、噛まれた子どもの気持ちを代弁しながら、友達や保育者と一緒に遊ぶことの方が噛みつくことよりも楽しいということを覚えるように働きかけています。

 茜では現在、10人の子どもたちを4〜5人の保育者で見ています。噛みつきが目立つ子どもには、行為は止めて、心は受け止めることができるように、その場の保育者同士で連携しています。これからも、茜の子どもたちの成長を家族と共に見守っていきます。
posted by 園長 at 11:25| Comment(0) | TrackBack(0) | うんちく
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/57775104

この記事へのトラックバック